写経

 

 無の境地、それを得られれば人間の心は研ぎ澄まされ間違った判断をしないといいます。

 過去に戻らず未来に行かず、ただただ”今”に魂いが留まること、それが仏教が教える無心、無の境地です。

 今日本はもとより世界で現代人が被っている、精神を蝕みそして人命をも脅かすストレスという病から開放される方法として、写経や瞑想が注目を浴びています。

 本来ストレスは古の人々が獣などに遭遇した時に緊急事態として脳がストレスホルモンの分泌を促し心身を緊張させ戦う体勢を作り身を衛るという大切な機能でした。

 しかし現代人はかって経験したことのない複雑化した社会の中での悩みや長時間労働などに晒され、絶えずストレスホルモンが出続ける状態を生み出しています。

 結果心身は疲れきり、脳に異状をきたし重い精神的病や癌などの死に至るような多くの病を引き起こしていることが判って来ています。

 その対処方法として、近年、瞑想や写経で心が今に留まる「無心・無の境地」に心を置くことで損傷を受けた脳の回復効果が米国の研究機関から報告されています。

 それは私達は今現在の悩みに対処することに加えて、過去に起きた失敗や痛みを思い出しそして、未来で起こるかも知れない事まで心配、ストレスホルモンはその間出っぱなし。

 そうです、今だけをひたすら想い無心になり、過去に戻らず、未来に行かない「今」だけに留まれる世界に身を置く事で、その危険な状態から抜け出せるということなのです。

 紀元前5世紀のお釈迦様は既にそのことまで悟られていた事になりますね。

 凄いと思うと同時に、私共がその世界に接することが出来ることが改めて晴らしくそして有り難く思えてきます。

 

 

 願成就寺では月に1度第二日曜日午前10時よりこの写経、阿字観瞑想を行っています。

 どなたでも参加し体験することが出来ます。

 筆や写経用紙は準備してありますので手ぶらでも結構ですし、ご自分が書きやすい筆や、筆ペンをお持ちに成っても結構です。

 尚、写経の高野山金剛峰寺への心願料として千円を申し受けております。